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「ダイエット外来での防風通聖散は、マジやめて欲しい」というツイートが注目を集めた
「幸生会 森ノ宮/大阪本町胃腸内視鏡クリニック」のアカウントから発信された「防風通聖散」に関するツイートが注目を集めました。
「防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん)」とは?
漢方の古典書にも古くから記載されている「漢方薬」「医薬品」で、18種類の生薬が代謝を促進して余分な水分を排出し、おなかの脂肪を落とす漢方です。
特に肥満症で便秘がちな人によく用いられ、"代謝・利尿・便通などの作用"により腹部の皮下脂肪を減らし、肥満症、便秘、肩こり、むくみなどに効果を表します。皮下脂肪だけでなく内臓脂肪を燃焼させ、肥満を改善しやすい体質を作るのにも有効なお薬です。
「防風通聖散 | 新生薬品工業株式会社」より
お通じが悪い脂肪太りの方に
効果・効能
体力充実して、腹部に皮下脂肪が多く、便秘がちなものの次の諸症:
「ツムラ漢方防風通聖散エキス顆粒(ぼうふうつうしょうさん) : 一般用漢方製剤・一般用医薬品 | 製品情報 | ツムラ」より
高血圧や肥満に伴う動悸・肩こり・のぼせ・むくみ・便秘、蓄膿症(副鼻腔炎)、湿疹・皮膚炎、ふきでもの(にきび)、肥満症
大腸が黒くなっている状態「大腸メラノーシス(大腸黒皮症)」
ツイートの画像にあるような大腸が黒くなっている状態を「大腸メラノーシス(大腸黒皮症)」と言うそうです。
センナ、大黄、アロエなどの大腸刺激性下剤(アントラキニン系)を長期にわたって服用することで起きます。
この変化は粘膜に留まらず腸管内の神経叢にも至り、便秘状態をさらに増悪させる可能性があります。
「大腸メラノーシス(大腸黒皮症)」自体は病気ではないのですが、この状態になっているということは「便秘になりやすい腸になりつつある・なっている」ということになります。
「防風通聖散」商品の 長期服用に関する記述はどうなっているか?
複数のメーカーの「防風通聖散」商品のページを見てみましたが、長期間服用することについての注意喚起は弱い印象にありました。
「してはいけないこと」の欄には長期の服用についての記載はなく、「相談すること」の最後に「長期連用する場合には、医師、薬剤師又は登録販売者に相談すること。」という記載がある、という状況でした。
「大腸メラノーシス(大腸黒皮症)」になってしまったら?
「大腸メラノーシス(大腸黒皮症)」になってしまっても、アントラキノン系下剤の使用を中止することで改善していくようです。
漠然と長期服用することに注意しよう
ツイートに寄せられたリプに対して「幸生会 森ノ宮/大阪本町胃腸内視鏡クリニック」さんは
「防風通聖散そのものが絶対悪、というわけではないんです。短期で飲む分には問題はないのです。」
「問題は、単なる痩せ薬と思って、「漢方だから副作用なんてないでしょ」と危険も知らずに漫然と飲んでしまう事なんです💦」
冒頭ツイートのリプライ内より
とおっしゃっていました。
防風通聖散を飲んでいる人は長期服用に気を付けましょう。
参考サイト
「防風通聖散 | 新生薬品工業株式会社」
新・ロート防風通聖散錠満量 | ロート製薬: 商品情報サイト
「ツムラ漢方防風通聖散エキス顆粒(ぼうふうつうしょうさん) : 一般用漢方製剤・一般用医薬品 | 製品情報 | ツムラ」
下剤の長期連用で起こる大腸メラノーシスとは?大腸がんになる可能性はあるか?(一般)公益社団法人 福岡県薬剤師会 |質疑応答
大腸メラノーシスとは?|東京都世田谷区桜新町・大腸内視鏡検査・肛門科